医療現場をまとめるリンクナースとは

リンクナースという言葉をご存じでしょうか。リンクナースは、専門チームと現場の病棟看護師をつなぐ役目をします。医療のチームをまとめる上ではなくてはならない存在です。

毎日患者さんに付き添っている看護師たちに、リンクナースは医療チームから学んだ感染管理や褥瘡管理、栄養管理、そして最新医療知識を伝えます。こうすることで、病棟全部の医療レベルがアップし、入院している患者さんも安心できる病院になります。

リンクナースはどのようにして医療チームから医療知識などを学ぶのかというと、月に1回から2回、リンクナース会が開かれ、ここで情報を共有します。この時、医療技術や知識を教えてもらうだけでなく、現場の看護師の教育の現状と、今抱えている問題点などを取り上げて話し合います。そして現場の看護師には勉強会を開催したり、教育、指導を行ったりします。こうすることで、現場の看護師のレベルアップにつながるのです。

リンクナースになるには、リンクナースシステムを導入している病院で働くことが大前提になります。現在働いている病院にそのシステムがないが、近々導入されるというのであれば待っていても良いですが、いつ導入されるのかも全くわからないというのであれば、すでにそのシステムが確立している病院へ転職することを検討しましょう。

院内にリンクナースシステムが確立されているのであれば、院内で行われる研修に積極的に参加して知識を深め、リンクナースになりたいことを伝えましょう。この仕事は看護師の総合的なスキルが求められます。常日頃から真摯に業務を行うようにしましょう。

チーム医療での職種ごとの役割

チーム医療とは、医師や看護師などの医療スタッフがそれぞれの専門性を発揮して、高度な医療ケアを患者に提供するものです。患者に対して的確な治療を施すためには、それぞれの専門職が自らの役割をしっかりと果たす必要があります。

まず、チーム医療での医師の役割は、診察をしたうえで治療方針を決定し、それぞれの専門職に方針を伝えることです。自らが中心となって治療にあたるだけでなく、それぞれの専門職が役割を果たせるように的確な指示出しをすることも必要となります。また、患者はもちろん家族に対しても病状を説明し、治療方針についての理解を得ることが欠かせません。チーム医療の現場では、医師はリーダー的な役割だといえるでしょう。

次に看護師の役割は、患者の身体的な苦痛や精神的な不安を把握したうえで適切な看護ケアを施すと共に、他の専門職と情報を共有することです。医師から患者への説明が足りないときは、補足説明を行うこともあります。さらに、患者や家族の本音やメッセージを的確に把握し、医師やその他の専門職に伝える役割も求められるのです。

そして、薬剤師の役割は、使用する医薬品の名称や効能、保管上の注意などについて、正しく情報提供を行うことが挙げられます。副作用が考えられる医薬品を用いるのであれば、この点についてもしっかり説明することが欠かせないでしょう。もちろん、その他の専門職にもしっかりと役割があり、それぞれがコミュニケーションをとりつつ協働することで、チームでの医療が完遂できるのです。